管理人です。
まず、吉田病院は稲垣稲田式(略:稲田式)、世界基準はアシュトン値、と正確な呼び名で説明させていただきますね。世界にはその二つだけでなく、いろいろなジアゼパム換算値があるようです。そしてアシュトン値は比較的力価を強めに設定しているようです。
さて、稲田式とアシュトン値が大きく違うベンゾにソラナックス、ワイパックス、サイレース、レスミットがあります。レスミットはほとんど使われているケースを見ませんのでここでは省きます。
ワイパックスとサイレースは稲田式が1.0、アシュトン値が0.5です。これらは最初は稲田式で計算し、2~3週間かけて4分の1ずつとか半錠ずつとかジアゼパムに置換していくと思うのですけど、置換途中~完了で足りないと感じたらアシュトン値を目標にジアゼパムを増やしていけばいいと思います。そもそも日本ではジアゼパム投与MAX量は15mg/日なので、仮にサイレースかワイパックス2mg飲んでたらアシュトン値だとジアゼパム20mg必要になる計算になります。サイレースかワイパックス2mgの人は稲田式で置換を始めながら、ジアゼパム15mg以内で済むよう祈りながら置換することになります。(ジアゼパム15mgで足りなかったらベンザリンを追加する、という奥の手がいちおうあります)
問題はソラナックスで、稲田式とアシュトン値で3倍も違います。
あくまでわたしの考えですが(盲目的に信用しないでください!)、ソラナックスの場合は最初から稲田式0.8とアシュトン値0.25の真ん中あたりの値(0.4~0.6)を参考にして置換したら良いと思います。ソラナックスの1日MAX用量/日は1.2mgでしたでしょうか。1.2mg服用をジアゼパム換算値0.4で置換すると、ちょうどジアゼパム15mgになります。こちらもジアゼパム15mgで足りなかったらベンザリンを追加する、という奥の手がいちおうありますが、正直、ソラナックスのアシュトン値は、日本人には力価が高めかな?という感想です。
このように、置換には不確実性やリスクもありますので、現在世界の趨勢(当事者やそれを支援する団体、医師など)では、短期作用型のベンゾで投与間離脱が発生していないのであれば、置換せずに現在服用中の薬のままテーパリングするべき/した方が良いのではないか、という意見が大勢を占めています。