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2025年3月4日 3:40 PM #1325
管理人
キーマスター2020年というとオレキシン作動薬の睡眠薬が発売されて久しい頃で(ベルソムラ2014年発売、デエビゴ2020年発売)、主訴が不安やパニックならともかく、不眠であるのになぜオレキシン作動薬を第一選択薬としなかったのだろう?と不思議ですが、主治医がベンゾの危険性についてあまり知らずそれまでの惰性で習慣的に処方してしまったのだろうと思われ、今となっては過ぎた話で悔やんでも仕方がないのでこれからの話をしましょう(ベンゾ以外の睡眠薬あるいは代替えとなる催眠作用のある処方薬については拙書228ページ~232ページに書いてありますので参考にしてください)。
上記で述べたように、ベルソムラあるいはデエビゴという新薬にはベンゾジアゼピンのように身体依存性はありません(100%無いとは言いませんが)。また耐性もつきにくいとされています。わたしだったらデエビゴを追加しようと思うと思います。ただし、要注意として、現在服用中の「ユーロジンからデエビゴに置換」することは「ユーロジンの一気断薬」と同じことになってしまいます。あくまで「デエビゴの追加」にするでしょう。ただ、副作用や人により合う合わない、は当然あるので、その辺は主治医に必ず確認してください。
また、新薬ゆえにまだ枯れてない薬(まだ発見されていない副作用、悪影響があるかもしれない)というご懸念がある場合は、やはり市場に出て何十年もたっている他剤(拙書228ページ~232ページに記載)を参考にし主治医と相談なさってください。その他のご質問:
・力価の高さと離脱の困難さに相関性はあるか?
拙書145ページ~146ページでも触れましたが、力価と離脱困難性に相関関係はありません。高力価のリボトリールやソラナックスでもテーパリングですんなり1年程度で中止まで持って行けた人々はいますし、逆に最弱力価グランダキシンでかなり厳しいことになる人もいます。ただ、力価が高いと、ドライカットではどんなに小さく割ってもそれなりのジアゼパム換算値までしか下げられないので「力価が高いとマイクロテーパリングがやりにくい・都合が悪い」という意味で相関性はあるといえます。
アシュトンマニュアルには『クロナゼパム(リボトリール・ランドセン)等の高力価のベンゾジアゼピンからの離脱は特に困難というエビデンスもあります』(アシュトンマニュアル日本語版52ページ)とありますが、当時はまだ20世紀でグーグルもアマゾンもない時代。一般人がビーカーやシリンジを手に入れるのもほぼ不可能で、水溶液タイトレーションなんていう手法がアイデアとして無かった時代です。水溶液タイトレーションが可能なら、何度でもスケール変換して0.000000xx…mgといった超微量まで落とすことも可能になります。・「サイレースはやめにくい!」
いろいろな人がいろいろな事を言います。サイレース(フルニトラゼパム)は米国で発売禁止になったため、ベンゾの中でも特にヤバい、と何のエビデンスもなく叫ぶ人がいますが、サイレース(フルニトラゼパム)が米国で禁止になったのはデートレイプでそれが多用されていたためです。サイレース(フルニトラゼパム)がベンゾの中でも特別どうこうということはありません。化学構造式もベンザリン(ニトラゼパム)と似ています。
「レキソタンが一番やめにくい」とおっしゃる薬剤師さんもいました。力価の話を持ち出して「リボトリール・ランドセンが・・・」という人はやはり多くいらっしゃいますね。しかし、すべてエビデンスなく出鱈目です。結局、人それぞれなのです。2025年3月5日 3:24 PM #1326Yasu
参加者管理人様、
ご回答をありがとうございます。背景の説明に不足がありましたが、当時の主治医(コロナ後遺症に有効性があるとされるBスポット療法を実施できる、地元ではとても流行っている耳鼻科医)は当初ベルソムラ20mgを処方してくれていました。
これは私が「やはり睡眠役は癖になったり、効かなくなったりするのですか」と不安を伝えたため(当時はハルシオンは「ベンゾ」という系統で依存性があるらしい…くらいの知識しかなく素朴な不安でしたが)
「マイルドな眠剤にしよう」
と処方してくれたものでした。しかし、結果的に(当時はコロナ後遺症の主症状が凄まじかったため、精神的な不安も非常に強かったのが原因かと思うのですが)殆ど効き目が無く不眠状態が悪化し続けていたので変薬を相談し
「キレが良くて、寝付きをよくしてくれるのはハルシオン、もう少し半減期が長くてダラダラ~と効いてくれるのがレンドルミン」
というような説明を受けてレンドルミンを処方してもらったという経緯でした。とても親身に治療してくれたドクターでしたので、名誉のために?補足を書かせて頂きましたが、最初から無闇にベンゾを処方するような先生ではありませんでした。
「昔はこれ(ベンゾ系)しかなかったし、この程度の眠剤を飲んでる人なんて世の中にいっぱいいるよ」というざっくりとした励まし?で処方されてしまいましたが、「ベンゾジアゼピン、出して良い?」と依存性の説明もした上で最終的に確認もしてくれたので、この先生の治療に恨むところはありません。
※実際、コロナ後遺症のその他の症状(倦怠感や嗅覚障害、抑うつ、ブレインフォグ等)は明らかに改善したので、良いお医者さんだったのだと思っており、今も私も妻も息子も風邪や花粉症の時は診察してもらっています。
ただ、欲を言えば、眠剤を服用する上での最終的な出口戦略も見越したアドバイスを最初にして欲しかったですが、精神科でも診療内科でも無い医師にそこまで期待するのも筋違いだよなと思っています。。。また、これも質問に丁寧に回答頂いたのに説明不足で恐縮なのですが、現在はユーロジン単剤ではなく、ユーロジン、ベルソムラ、トラゾドンの3剤を併用している状態です。
途中デエビゴも試してみて、どちらかと言えばベルソムラの方が眠りが安定するという実感だったので、これに落ち着いているという状態でした。
(トラゾドンは抗うつ薬だけれど、副作用を利用した睡眠を改善する効果が期待できるとのことで今の主治医(精神科医)と相談して追加になりました)もし変えるとすれば(ベルソムラとトラゾドンはそのままで)ユーロジンなのかなと思い、質問させて頂いたものでしたが、色々情報不足な質問で申し訳ありませんでした。
離脱の困難は力価の問題ではなく(ご説明を読んで、ネット記事やブログだけで「サイレースはヤバい!」と短絡的に恐がるものではないと納得できました)あくまでも人それぞれということを再度念頭において(だからといって気軽にベンゾを変薬して良いと過度に楽観はせず)主治医としっかり相談したいと思います。
いずれにせよ「○○はやめづらい?」というような短絡的な話に拘泥せず、ベンゾの断薬を目指すなら焦ること無く安全なペースのテーパリングを地道に実施することが大事とくれぐれも忘れないようにします。。
2025年3月6日 1:23 PM #1327管理人
キーマスターそうでしたか。耳鼻科医にもかかわらずずいぶん正確な臨床アプローチでかなり良いドクターですね。主治医の提案どおりにしても良いかもしれません。しかし、拙書の228ページ~232ページは読んでいただけたのでしょうか?
トラドゾン、ベルソムラ、デエビゴ以外にもベンゾとは異なる「副作用を利用した睡眠を改善する効果が期待できる薬」を紹介してますので参考にしてください。それらが絶対安全!、というわけではありませんので、主治医とよく相談して検討してみてください。おそらくよくご存じかと思います。>「レンドルミンを20年」等の長期服用している方・・・略・・・私は1年ちょっとで全然効かなくなってしまったのですが、1つのベンゾでずっと安定して眠れるということもあるのでしょうか
→ 回答:そういう人は少なからずいると思います。あるいは、すでに自分の睡眠力で寝れているが惰性で飲んでいる/プラセボ効果で寝れている、という人もいるでしょう。 -
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