まず、ベンゾジアゼピンが離脱症状を発生させているわけではなく、離脱症状を発生させているのは自身の興奮系神経システム(グルタメート系カルシウムイオンチャンネル受容体)の暴走だということをその薬剤師さんはハッキリ解釈していないと思います。このメカニズムについては拙書『ベンゾ系睡眠薬・抗不安薬からの安全な離脱方法』の第3章で詳しく書いています。ご自身でもよく読み、薬剤師さんにも読ませてください。
したがって、本当の意味での断薬は「服薬を止めた時」ではなく「血中濃度から消失した時」となります。
超長期型のベンゾ(特にメイラックス)だと、そのあまりに長い半減期のため、服薬中止後も血中に残り続けるからこそ、本当の意味での断薬「血中濃度から消失する時」は服薬を止めた時からかなり後ろにずれることになります。人により1週間~2カ月、あるいはそれ以上。個体差が大きいです。
「ベンゾジアゼピンの代謝速度には個人間でかなりの変動があります」(アシュトンマニュアル27ページ)。
さらに血中からベンゾが抜けた後、興奮系優位になりそれが徐々に暴走状態になるまでに時間がかかることがあります(離脱症状の発生には遅発性がある。別のスレッドで述べた通りです)。
ベンゾ離脱症状の遅発性について以前Xでアンケートを取りました。
「断薬から1か月後~」に発生したという人が15%もいらっしゃいました。もう少し選択肢を広げて「断薬から2か月後」「断薬から3か月後~」という選択も設けていれば、それぞれも数パーセント程度はおられる結果になったと推測します。